ギルドてすさび

文学サークル「ギルドてすさび」のブログ

久しぶりの京都、喫茶編 2(完)

1月の京都のことを、12月に更新するとは。

とんでもなく間があきましたが、京都の喫茶編の完結。

 

京都に2泊3日とはいえ、丸一日は文学フリマなので、街や寺社を見る時間は実質1泊2日。基本は行商人モード。

さらに昨年夏に腰を痛めて、まだ完治していない。念のために山深い大原、比叡山、高尾、鞍馬や、洛中から離れた宇治や嵐山などは避ける。

今回は洛中をぶらついては腰を下ろす、街散歩になった。

 

◼︎クラシカルの代名詞◼︎

 

前回、初日の丁の字Cafeを出てから、河原町などの様子を確認。夕食後、もう一軒お茶を、とゆっくり歩く。

四条木屋町からちょっと下ったところにある、名曲喫茶フランソワ

昭和9年開店。クラシカルなインテリアやステンドグラス、女性店員の清楚な制服と、3拍子も4拍子も揃った古典的な「喫茶店」。

(人によっては、メイド喫茶以前のメイド喫茶とも、本来のメイド喫茶とも呼ぶ。)

 

これまでは平日に来ることが多かったが、今回は文学フリマの日程にあわせたため、週末の夜。あまりの混雑にびっくり。木屋町にあるのだし、お酒のあとにちょっとお茶、という人が押し寄せる店でもあることを忘れていた。

運よく座れたが、私の後に数組入ると、あとは待ち行列

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ここの名物は濃いコーヒーに生クリームの、ウィンナーコーヒーだろう。チーズケーキなどもあるのだが、この日はコーヒーのみ。

名曲喫茶とはいえ、おしゃべり禁止ではなく(今時そんな店はあまりない)、満席でごった返す人の声。第九だのレオノーレ序曲第3番だのベートーヴェンの大音響もあり、さすがに落ち着かない。一息ついたら読書もそこそこに店を出た。

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四条河原町木屋町近くのクラシカルな喫茶といえば、名曲喫茶築地、喫茶ソワレなどもあるが、今回は時間が合わない。

先斗町を北に上がっていくことにする。うさぎの雑貨店は今もやっている。店の入り口の足元に、かわいい子たちが季節行事で呼び込み。

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先斗町で口直しも考えたが、翌朝から文学フリマ参加なので、今夜はここまで。

 

◼︎文学フリマの夜〜翌朝◼︎

 

二日目の文学フリマ京都の後は、三糸ひかりさんとの打ち合わせ兼お茶。イノダコーヒー本店、一択である。

(なにかとお茶をのむ二人……)

私が来ていなかったここ4〜5年の間に、本店は全面禁煙、近くの三条店は喫煙可になっていた。

イノダが基本的には京の商店の旦那衆がふらりと立ち寄っては仕事に戻るタイプの店なので、三条店を地元向けとして、本店は観光客に合わせた形に見受ける。

日曜の夜はびっくりするくらい静か。あまりに静かで、二人でボソボソと(苦笑)今回の反省、次号の企画を話した。

三糸さんはもう戻るので、ここから別行動。私は木屋町を散歩してから、木屋町三条の小川珈琲で、夕食と喫茶を兼ねて簡素に済ませた。木屋町にも新築ホテルができていて、驚く。

 

翌日は一人で歩く日。大きな荷は預け、腰を緩めるようにぶらぶら歩き。

それにしても、京都市営地下鉄はずいぶんと美少女キャラに走ってますな。高いから乗る人が少ない、という話は聞いたことがあるが、これは利用者増に繋がっているのだろうか。


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午前というより昼前、三条通とその周辺を眺める。

2000年代に入り、NTTの建物をリノベーションした御池烏丸近くの新風館は、新たなフェーズに向けて工事中。三条通を東にぶらぶら、時折逸れてこんなのも見つけたりするが、まだ腹は減っていない。

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と思いながら歩くも、底冷えに手足が冷たくなってきた。

 

寺町にさしかかると、三嶋屋の斜め向かいに新しい店、甘党茶屋 梅園

来なかった数年の間にできた店の一つ。少し迷ったが、佇まいに抗えず入店。

昼前はまだ混んでいない。代表的な和菓子を少しずつ並べたセットを頼んでみる。薄くかかる静かなBGM、時間帯のせいか落ち着いた客が多く、なんだかほっとする。

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やってきた皿に、思わずにんまり。みたらし団子はほんのり湯気が立ち、冷えた身体に嬉しい。ここは天国ですかー、とあっという間に平らげた。

 

温まったところで、寺町や四条通界隈を歩いて街の変化を楽しみながら、建仁寺へ向かう。京の冬の旅で、建仁寺塔頭が特別公開していた。四軒廻ったのだが、喫茶ではないので割愛。

 

◼︎祇園・東山近くならやはり◼︎

 

建仁寺ということは、祇園界隈。

となれば、あそこに寄らないわけにはいかない。

鍵善良房。

しかし、月曜は祇園本店の定休日。

 

慌てる必要はないのです、支店は営業中なのだから。

四条通の東の終わり、八坂神社でお参りしてから、南の門より下っていくと、高台寺の手前にあるのが、鍵善良房高台寺


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昔は本店の歴史的な古さに対して、近代的な高台寺店という印象だったが、本店も建て替えてからだいぶ経った。高台寺店も2010年代前半にきれいになった。

幸い、すぐに座れた。最近は真冬でも葛切りを食べることができるようだが(昔は冬はなかった)、私は粟ぜんざい。底冷えには、やはり暖かい甘味。

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いわゆるお汁粉もいいけれど、秋や冬はこれも魅力的でしょ?

お通しのように出てくる干菓子、ぜんざいと塩昆布。上質な和三盆の甘さが織りなすグラデーションを堪能。小腹も満たせた。

 

◼︎また来ます◼︎

 


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多くは廻れなかったが、洛中の変化を肌で感じる散歩はできた。

冬の京都は底冷えがきついが、観光的にはオフシーズンなので、人混みに顔をしかめることもあまりなく、気楽に歩けるのがいいところ。夏のように40度近くまで上がると身動きがとれないが、冬はよほどの寒さでなければなんとかなるものだ(とはいえ、2月中旬に来た時には、あまりの寒さに風邪をくらったが)。

それにしても大中小、これほどホテルが増えて、10年後にはどれくらい残っているんだろう。

久々の京都で、見知っているあそこはどうなったろう、と思いながら歩いたが、次回はもう少し違うところもみたい。