久しぶりの京都、喫茶編 1(街編 2も)
◼︎寺町二条、懐かしいホテルの話◼︎
久しぶりの京都、街編 - ギルドてすさびで、寺町三条に藤田観光がホテルグレイスリーを開いたことについて、軽く触れた(公開後の追記)。
私は1990年代から2000年代まで、ホテルフジタ京都に泊まることが多かった(今は建て替えてリッツ・カールトン・ホテルがある)。
散歩が楽しい寺町二条にほど近く、木屋町通りを南下すれば三条京阪のバスターミナルも遠くない(2000年代前半までは、京阪バス・京阪電鉄と市バスを接続する乗換ポイントで、行先を決めずにここまで歩き、そこで乗るバスを決めることもできるくらいだった)。御池・河原町方面にも歩いていける。繁華街とのほどよい距離感と、鴨川沿いの適度な静けさで気持ち良い環境だったこともあるし、その割には極端に高くもなかった(創立当初は男爵邸を引き継いだ高級ホテルとうたわれていたそうだが、私が最初に泊まった1990年代では少しレトロ感のある、落ち着いたホテルという印象だったように記憶している)。
地下の和食店は窓側が半地下で、鴨川から引き込んだ流れにカルガモの親子がかわいく遊び、出汁付きのお粥定食で気持ちいい朝食をとれたことも魅力的だった。酒が好きなら、隣のバー石水にも行っていただろう(私は飲めないので縁がなかったが)。
チェックインして部屋に案内されると、テーブルにはコピー紙「かるがも通信」が置いてあり、ホテルとしてもカルガモを魅力の一つととらえていたんだと思う(宿泊客にその週の観光行事などを案内する手書き紙、結構細かいお寺の行事まで載っていた)。こういうことは、インターネットが当たり前の今では、無用になってしまったかもしれないが。
私にとって木屋町二条のあたりは、京都にちょくちょく赴いていた頃のホームタウン、という気持ちがある。
京都市役所前からリッツ・カールトンのあたりまで歩いてみた。まず寺町通を二条通まで上がる。
寺町二条は、派手ではないが、魅力的な佇まいの店が並んで飽きない。
一方、梶井基次郎「檸檬」で、主人公がまさにレモンを買っていった店、八百卯は2009年に閉店したが、長らく閉じたままのようだ。
この寺町二条の交差点から、東に向かって歩いていく。二条通には紙、筆の店もあったりするが、ギルドてすさびを一緒にやっている三糸ひかりさんの方が詳しいだろうし、今回は寄らなかったので触れない。
◼︎木屋町二条のカフェ◼︎
河原町二条から東に入ると、少しずつ店が変わっているが、落ち着いた雰囲気は保たれている。このあたりに来なくなった頃にできた、丁の字Cafe(ていのじかふぇ)が目に付いた。寒さで小腹がすいていたし、ちょっと休んでみる。
デザートとも思ったが、ホットドッグにピンときた。これとコーヒーで一服。
1階は席が少なく、2階へ上ってみる。たまたま、ほかに客がいない時間帯に当たったようだ。中も外も実に静か。
妙に寛いでしまう。ぼんやりしながら、最近こういう時間は少なかったなぁ、と思っていると、ホットドッグとコーヒーがやってきた。
ドトールのジャーマンドッグのように茹でたものでなく、焼いたソーセージが、カレー味のキャベツとともに挟んである。古き良きアメリカーン、というところか。意外にたっぷりしていて、脇の緑の小壺にはシャーベット状に凍らせた葡萄が2粒。
寒い夕暮れにぴったりの、暖かいおやつ(にしては多いか)。ごちそうさまでした。
少し長くなったので、ほかの喫茶などは、また次回に。